あたしの全てをあいして骨の髄まで髪の毛一本残さず宇宙一大きな愛で!










無気力な状態が続く。なんで?って聞かれても答えられない。暑いからか夏休みだからか泣きそうだからかやらなきゃいけないことがあるからなのかやりたいことがみつからないからかおなかがいっぱいだからから、多分このあたりのどれかなのだろうと思う。額をつたう汗は不快なだけだし扇風機は涼しい風をおくるし布団たたまなくちゃいけないし見たいテレビはやってないだろうし学校がないから誰にも会えなくて寂しいしあたしは自分が確立できていない。実感がないのだ、誰かに頼られてたり、もしくはもっと大きく生きているという実感が。息はしてるしおなかもすくし暑くて汗も流れてるし返信しなければいけないメールもある。だけどあたしには足りていないのだ、世界のうえに存在しているという感覚。(誰か、あたしの名前を口にして)

ガチャリと開いた戸の音ですら(あたし此処にいるんだ)って実感できる現実ってどうなの?ねぇ、なんでその開いた戸からあなたが見えるのよ。






「・・・なんで」
「寂しい思いしてるのではないかと思って」
「腐っても名探偵、ってやつ?」
「嘘ですよ。今やってる仕事がひと段落ついたから様子を見に」
「L」
「今は、竜崎でいいですよ」
「竜崎、ここまで、どうやってきたの?」
「車できましたけど?」
「車で?ワタリさんと?」
「・・・わたしだって車ぐらい運転できます」
「自分で運転してきたの・・・?」
「悪いですか」
「・・・ううん」

「・・・なぁに竜崎」
「そんな顔をすると食べちゃいたくなります」
「いいよ、食べても。でも残したら怒るから」
「大丈夫です、わたし甘いものと同じくらいがすきですから」
「・・・ありがとう竜崎」
「残さず食べますから」





「泣くのは止めてください」って竜崎はちょっぴり切なそうに笑った。ごめんねそんな顔させて、すぐに泣きやむからもう少しだけこの感情に浸らせて





(あなたがいるからあたしはいつもヒロインでいられるのよ)