こんなの嘘よ、嘘嘘嘘
「てんか」
「てんか」
「てんか!」
頬に触れればいつもより冷たく、顔色も真っ白。
お腹に開いた傷口からは赤く、鉄臭い液体がドロドロと流れ出て
瞼は、閉じられたまま
「起きてよ、天化」
握った手に力がこもる、だけど返答はなく。
「嘘でしょ・・・天化!」
太公望の手が肩に優しくかかる
「、天化は、もう」
「・・・わかってます」
「・・・そうか」
「でも、天化なら起きてくれそうな気がするんです、だって、私を置いていったりしない」
「・・・」
握った手は力なく垂れ下がり、顔の色味も以前として戻らぬまま
徐々に消えていく天化を、私は空しくも見つめることしか出来なかった。
振り返れば、どうかあなたは其処にいて
(奇跡は自分でおこせるものだと信じてたのに)